横浜市の養育費確保支援制度|費用補助の内容と申請方法を解説

公正証書・保証契約の費用が補助される?横浜市の支援制度を“わかりやすく”解説します

養育費、本当に払ってもらえるの?そんな不安があるあなたへ

離婚や別居を考えたとき、多くの方がまず不安に思うのは、お金のこと。
子どもを育てていくには、思った以上に費用がかかります。

「ちゃんと払ってもらえるのかな…」
「約束が守られなかったらどうしよう」

そんな不安を少しでも軽くするために、横浜市では養育費の取り決めや、支払いが止まったときの備えにかかる費用を補助する制度があります。

でも説明を読んでも「ひとり親等って?」「債務名義ってなに?」と
難しく感じた方も多いのではないでしょうか。

このブログでは、横浜市の養育費支援制度を、できるだけわかりやすく、あなたの立場に寄り添って解説していきます。

第1章

養育費確保支援事業とは?|制度の全体像と対象者

横浜市が行っている「養育費確保支援事業」は、子どもを育てる親が養育費をしっかり受け取れるように支援する制度です。

養育費というのは、本来、親同士でしっかり話し合って取り決め、 将来的にもきちんと支払いが続くようにしておくことが大切です。

けれど、「公正証書を作るにもお金がかかるし…」
「保証会社って何?契約ってどうするの?」と不安に感じる方も多いはず。

そんな方のために、横浜市では次のような費用について補助を出しています:

補助される主な2つの費用

  1. 養育費や親子交流についての取り決めにかかった費用(最大3万円)
     → 公正証書の作成、公証人への手数料、書類作成や郵送費など
  2. 養育費が支払われなくなったときに備えた“保証会社との契約費用”(最大5万円)
     → 保証料を一部補助してくれるので、将来の不払いにも備えられる

これらはすべて、「あなたとお子さんが安心して生活できるように」という目的で作られた制度です。

「ひとり親等」って、離婚していないとダメなの?

ここで少しだけ、制度の対象者について補足をしておきます。

補助制度の案内には、「ひとり親等の方が対象です」と書かれています。
でも、この「ひとり親等」という言葉が、少しわかりづらいんですよね。

実は、すでに離婚している方だけでなく、これから離婚する予定の方も対象になる場合があります。

たとえば、次のような方も補助を受けられます:

  • 現在、離婚協議中だけど、将来お子さんを引き取る予定の方
  • まだ離婚はしていないけど、別居していて子どもと暮らしている方
  • 離婚後に備えて、公正証書や保証契約を準備している段階の方

つまり、「もうひとり親になっている」かどうかよりも、「今後、子どもを育てる立場であること」が大事なポイントなのです。

また、制度を利用するためには、「養育費を取り決めた証拠となる書類」や「実際に費用を負担した証明(領収書など)」が必要になります。

第2章

【1】公正証書などの作成費用の補助(最大3万円)

養育費を「ちゃんと払ってもらえるようにする」ために、
一番おすすめされているのが、公正証書を作ることです。

口約束やLINEのやり取りだけでは、あとで「そんな話してない」と言われたときに、どうにもできなくなってしまいます。
でも、公正証書にしておけば、支払いが滞ったときに、強制的に差し押さえなどができる「強制力」があるので安心です。

とはいえ…
実際に作るには、公証役場での手数料や専門家への依頼費、戸籍謄本の取得費など、
意外と費用がかかってしまうのも現実です。

そんなときに使えるのが、横浜市の補助制度です。

補助の対象になる費用とは?

横浜市では、養育費や親子交流の取り決めにかかった次のような費用のうち、原則として最大3万円まで補助してもらえます。

※ただし、ADR(裁判外紛争解決手続)を利用した場合は、最大5万円まで補助される特例もあります。

  • 公証役場で支払う手数料
  • 行政書士や弁護士などに、公正証書の原案作成を依頼した費用
  • 戸籍謄本などの必要書類の取得費
  • 書類の郵送代
  • 公証人の立ち会いを依頼した場合の費用

つまり、公正証書を作るためにかかった実際の費用のうち、幅広い内容が補助の対象になるということです。

補助を受けるための条件

次のような条件を満たしていれば、申請できます:

  • 横浜市内に住んでいること
  • 養育費や親子交流に関する「強制力のある書類(債務名義)」を作成していること
     ┗ たとえば、公正証書や調停調書などが該当します
  • 実際にその費用を自分で支払っていること
  • お子さんと一緒に暮らしていること
  • 同じ内容で、他の自治体の補助を受けていないこと

また、補助が受けられるのは、
取り決めをした日から6か月以内に申請した場合に限られます。

注意しておきたいポイント
  • 領収書のコピーが必要です。原本でなくてもOKですが、記名や内訳の記入が必要です
  • 補助は「実際にかかった費用」が対象なので、前払いなどには使えません
  • 申請後、横浜市からの審査や振込までに1か月半〜2か月ほどかかる場合があります
  • 書類に不備があるとさらに遅れるため、事前に確認しておくと安心です

第3章

【2】養育費保証契約の費用補助(最大5万円)

「公正証書を作ったけど、それでも払ってもらえなかったらどうしよう…」

そんな心配を少しでも軽くするために利用できるのが、養育費保証会社との契約です。

保証会社というのは、養育費の支払いが滞ったときに、
あなたに代わって一定期間、養育費を立て替えてくれる民間のサービスです。

もちろん無料ではありませんが、横浜市では、この保証料にも補助を出してくれます。

補助される金額と対象となる費用
  • 補助金額は、最大5万円まで
  • 対象となるのは、「保証会社に支払う保証料」です
     ┗ たとえば、「毎月●円を1年間保証」などの契約料が該当します
補助を受けられる人の条件は?

この補助が受けられるのは、次のような方です:

  • 横浜市に住んでいること
  • 児童扶養手当を受けている、または同じくらいの収入の方
  • お子さんと一緒に暮らしていること
  • 養育費について「債務名義(=強制力のある書類)」を持っていること
     ┗ 公正証書・調停調書・審判書などが該当します
  • 保証料を実際に自分で負担していること
  • 過去に同じお子さんで、他の自治体も含めて補助を受けていないこと

 また、補助を受けるためには一定の所得条件もあります。 具体的には、児童扶養手当を受けている方、またはそれと同じくらいの収入水準にある方が対象です。
 所得条件を満たさない場合は、補助の対象外となることもあるため、事前の確認が大切です。

申請時の注意点
  • 保証契約を結んでから6か月以内に申請する必要があります
  • 申請時には、領収書のコピーや、書類の記入(実績報告欄)などが必要です
  • 書類に不備があったり、申請から振込までに引っ越してしまうと、補助を受けられなくなる可能性もあるので注意しましょう。
  • 保証契約の期間が1年以上であることも補助を受けるための条件になっています。短期契約の場合は補助対象とならない可能性があるので、契約時によく確認しておきましょう。
こんな方におすすめの制度です
  • 「相手は信用できないけど、養育費を請求する権利は守りたい」
  • 「本当に払ってくれるか分からないから、不安が消えない」
  • 「公正証書だけではまだ心配」

そんな方には、保証契約+補助制度の活用という選択肢も、ぜひ知っておいてほしい方法です。

第4章

申請の流れと注意点(公正証書・保証契約 共通)

ここまでご紹介した

  • 公正証書の作成費用の補助(最大3万円)
  • 保証会社との契約費用の補助(最大5万円)

これらの制度を利用するためには、横浜市へ申請書類を郵送で提出する必要があります。
以下に、申請から補助金の振り込みまでの流れを、できるだけ簡単にまとめてみました。

申請の流れ(共通)
  1. まずは取り決め or 保証契約を行う
     ┗ 公正証書を作成したり、保証会社と契約を結んだあとに申請ができます。
  2. 必要書類を用意して、横浜市こども家庭課へ郵送
     ┗ 申請書、領収書のコピー、書類の写しなどを揃えます。
  3. 市が内容を審査し、補助額を決定
     ┗ 必要に応じて連絡がくる場合もあります。
  4. 決定通知と請求書が届く
     ┗ 自宅に郵送で届きます。
  5. 届いた請求書に口座情報などを記入して返送
  6. 指定口座に補助金が振り込まれる
どれくらい時間がかかるの?
  • 申請書を送ってから1か月半〜2か月ほどで振込されるのが目安です
  • 書類に不備があると、さらに時間がかかる場合があります
注意しておきたいポイント
  • 申請は「取り決め日・契約日から6か月以内」まで!
     うっかり期限を過ぎないよう、早めの準備をおすすめします
  • 引っ越しに注意!
     申請から振込までの間に横浜市外へ引っ越すと、補助の対象外になることがあります
  • 実際にかかった費用しか補助されません
     見積もり段階や前払いなどには使えないのでご注意ください
  • 領収書のコピーが必須
     原本でなくてもOKですが、自分の名前と内訳が書かれていることが必要です

第5章

制度を活用して「安心できる未来」への準備を

養育費は、子どもの生活を支える大切なお金です。
それなのに、実際には「払ってもらえない」「約束が守られない」といった声が後を絶ちません。

でも、あなたがきちんと準備しておけば、
泣き寝入りせずに、「子どもの権利」と「あなたの安心」を守ることができます。

そのために使えるのが、今回ご紹介した横浜市の養育費確保支援制度です。

この記事でご紹介した制度のポイント
  • 公正証書などの作成費用に最大3万円の補助
  • 保証会社との契約費用に最大5万円の補助
  • 離婚前でも、親権を持つ予定であれば対象になる場合がある
  • 申請は取り決め・契約から6か月以内。郵送でOK
  • 費用面の不安が軽くなるから、前向きに“備え”ができる

制度は、知っている人だけが活用できます。
そして、行動した人だけが「守られる側」から「守る側」に変わっていけるのです。

あなたとお子さんが安心して前を向けるように、
今できる一歩から、始めてみてくださいね。

ご相談はお気軽に

離婚公正証書の作成、離婚協議書作成についてお悩みの方は、どうぞご相談ください。 横浜市の補助制度も活用しながら、あなたとお子さんの未来を守るお手伝いをいたします。


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(平日AM9時~PM18時)

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